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第9回ロハスフェスタ里山倶楽部体験レポート

 

里山倶楽部とは

 平成7年(1995)、大阪府河南町持尾で誕生したNPO法人里山倶楽部。里山の保全・再生を中心に、様々な活動を展開しています。
 「現在全国には、人の手が入らなくなり荒れてしまった里山がたくさんあります。当法人では、そのような山々で密生しすぎた木々を間伐したり、下草を刈るなどの手入れをしています」と話すのは、スタッフの五味和也さん。こうした里山保全・再生活動で得た間伐材などは、薪やシイタケ栽培に利用できるホダ木、炭などにして販売しているのだそう。また、自給自足を目指して、有機農法の実践と普及に尽力。森林管理や農業などに関する講座を設け、次世代の育成も行っています。
 昔ながらの暮らしのよさ、里山や自然との付き合い方を伝え広める一方で、同法人の『バイオマス事業部』は万博公園内で、発電装置「木質バイオマスエネルギーシステム」の研究・開発を進めています。これは、薪を燃料とするボイラーと、熱だけで動くスターリングエンジンを組み合わせた発電システム。化石燃料や電気を使わないため、環境負荷が少ないのが特徴です。
 では、燃料となる薪は、どのようにして調達しているのでしょうか? 同事業部員の五味和也さんは次のように説明します。
 「万博公園内の森の木々は植栽されて約40年もの間放置されていたため、木々が密生しているのが現状です。そこで当法人では、園内に広がる森を健全な姿に再生するため、間伐や剪定、立ち枯れた木を除去するなど森の保全・管理をさせていただいてます。その作業で出た木材を、この装置の燃料にしているのです」
 4年にわたる実験・研究を経て、実用化できるまで開発が進んでいます。キャンプ場などでは、周辺の森の間伐材を薪にして燃やしてお湯を沸かし、その熱をエネルギーに換えて施設の電気に利用することが可能なのだそうです。
 「燃料となる薪を得るためには、間伐や剪定などが必要です。この装置を利用することは、荒れてしまった里山の再生・保全にもつながるのではないでしょうか」と五味さんは話します。

ロハスフェスタでの里山体験コーナー展開

 里山や公園の保全・再生活動、数々の講座を通じて、自然に向き合うことの大切さを伝え続けている里山倶楽部。「その活動に参加したい」「講座で勉強をしたい」、あるいは「子どもに自然に触れさせてあげたい」という方は多いはず。ただ、山間部で行われる講座や活動に参加することは、都会に住む人々にとってそう簡単なことではありません。そこで、同法人は、万博公園で開催されるロハスフェスタに参加し、『里山体験コーナー』を設置。都会に暮らす人々が気軽に里山や自然を体験できるよう、様々な体験教室やイベントを開催しています。
 「里山や万博公園内で間伐した丸太を、ノコギリと斧を使って薪にしてもらったり、丸太を輪切りにしてコースターを作るクラフト教室を開催したこともありました。ドングリなどの木の実を利用した置き物作りなど、木工細工は人気が高かったですね」
また、自分で割った薪を利用して火を起こし、バームクーヘンを焼くなどの料理体験も数多く実施しています。「最近は、万博公園内の竹害を防ぐため、竹林の間伐作業も行っています。その活動で得た竹材を使ってランプシェードなどを作る教室も開きました」と五味さん。実際に自然素材に触れてもらうことで、里山暮らしの楽しさや豊かさを伝えているのです。
 そんなコーナーは、都会で生活するファミリーに大好評。丸太切りをするときは、普段ゲームが大好きなお子さんもノコギリを使ったことのない大人の方も、額に汗を光らせながら黙々とノコギリを動かすのだそうです。
 「参加者の方々にとって丸太切りは、作業やクラフトというより、スポーツ感覚。体を使うことを楽しんでいる方も多くいらっしゃいますよ」
 一つの作業にそれぞれが楽しみを見出し、没頭してしていく――。それこそ、自然の持つ不思議なパワーなのでしょう。そして、丸太を切り終えたときの達成感に満ちた表情を見るたびに、五味さんは「やってよかった」と思うのだそうです。

参加者されたみなさんのお声

 今回、整理券を発券するほどの人気となったこのコーナー。参加者の方からは喜びの声や驚きの声が届いているのだそう。五味さんは楽しそうに話します。
 「『木を切るといい匂いがする』『木は硬い』『大工さんの仕事って大変』などなど、色んな感想をいただきました。自分の体を使って木を一本切るだけでも、色んなことを感じていただいてますね」
 これだけ様々な感動や発見があるのは、普段、自然の素材を手にする機会がないから。都会で気軽に自然に触れられるこのような催しは、都会に暮らす人々が自然の素晴らしさを知ることのできる貴重な機会といえるでしょう。
 「天然の素材を使うと手は汚れるし、匂いもついてしまいます。でもそれが“自然”なんですよね。お子さんにはこのコーナーで、木に触れたり、体を動かして何かを作ったりする大変さや喜びを感じてほしい。そしてこの体験をきっかけに里山の暮らしに興味を持ち、将来、森に関わる仕事に就いてもらえるとうれしいですね」
 そのために五味さんは、自分自身も実践する必要があると感じ、現在は、岡山県の山間部で暮らしを楽しんでいます。野菜などは自給自足。冬は薪ストーブで暖をとっているのだそう。
 「都会でなくても、不自由なく暮らせる技術と智恵を伝えたい」
 ロハスフェスタの里山体験コーナーは、そんな思いにつながっているのです。
 

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