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LOHAS Festa Award受賞者発表

「LOHAS Festa Award(ロハスフェスタ アワード)」は、手作り作品、オリジナル作品の背景にあるサステナブルな製作ストーリーやコンセプト、そしてそれらを体現する作品の価値をロハスフェスタ実行委員会が評価し表彰するプロジェクトです。

今回から始まるLOHAS Festa Awardに、たくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。この度、第一回 LOHAS Festa Awardの受賞者が決定いたしましたので、発表いたします。

【審査員】

  • ロハスフェスタ実行委員会 委員長 池谷綱記
  • ロハスフェスタ実行委員会 副委員長 森永とし子
  • ロハスフェスタ実行委員 大和田順子
    教育テック大学院大学 教授。地域力創造アドバイザー(総務省)。2002年「LOHAS」という言葉を初めて日本に紹介。
  • 陶芸家 味舌隆司
    大阪府の優秀技能者「なにわの名工」選出の名陶芸家。
  • テキスタイルプロデューサー 越智和子
    株式会社デザインプラザマックス 代表取締役・「布のある暮らし・楽居布」主宰
    日本の伝統的織物、近江の麻、京丹後のシルク、沖縄、遠野の手仕事を結んで各地で自然と共にあるこれからのライフスタイルをご紹介。

●グランプリ
受賞者 : nuts
受賞作品: ノアの方舟

ノアの方舟
作品について:使わなくなった古いシーツやカーテンを使用して、手作業で一本一本、仕立てている日傘。作品の製作については、重い病気を持っているため外で働くのが困難な方や、引きこもりの女性達と一緒に行っています。ほとんどの方が尼崎市在住の女性で、地域に貢献できるもの作りを目指しています。

講評:古いシーツやカーテンでつくるというアップサイクル性が評価できる作品「ノアの方舟」。廃棄予定であった材料に新たな価値を与えるモノづくりはSDG12「つくる責任、つかう責任」に該当します。また、病気を患い困難な状況にある女性に対して働く場を提供する事業展開はSDG8「働きがいも経済成長も」、SDG5「ジェンダー平等を実現しよう」に該当し、ウェルビーイングな地域社会の実現にも大きく貢献しています。明るい作品イメージ、デザイン性の背景に、社会も明るい方向に導こうとする応募者nutsの意志が感じられ、「頑張る女性が頑張る女性のために作る」という明確なメッセージ性がロハスフェスタのテーマと強く共鳴しています。

●準グランプリ
受賞者 : N h e s .
受賞作品: 「自然に還る歯ブラシ」t u r a l i s t

「自然に還る歯ブラシ」t u r a l i s t
作品について:材料は天然素材に拘り、柄は大阪府大東市の家具職人とコラボし椅子製作の過程で発生するブナの木の端材を活用、ブラシ部分は馬毛と豚毛を採用。ブナの木の腐食防止には健康食品でもある日本古来の自然塗料「えごま油」を採用しています。天然毛はプラスチック製と比較し長持ちするため、歯ブラシのメンテナンスサービスも実施。天然素材の端材を活用し地場産業の活性化効果もあるロハスな歯ブラシです。

講評:SDGsの様々な要素を高い次元で融合した秀逸なプロダクトです。まず特筆すべきは、プラスチックを一切使わない徹底した素材選定(SDG13「気候変動に具体的な対策を」、14「海の豊かさを守ろう」、15「陸の豊かさも守ろう」)。次に、製造プロセスにおいて高齢者の働きがい(SDG 8「働きがいも経済成長も」)と地場産業の継承を同時に達成。さらに消費段階では、使い捨てを前提としない「メンテナンスサービス」でユーザーの行動変容を促進。SDG 12「つくる責任、つかう責任」を実践しています。これにより購入者はサステナブルな選択に参加し、作り手は継続収益を得るという好循環を構築。資源循環の徹底、地域産業の活性化、高齢職人の雇用創出、そして消費者意識の改革を一本の歯ブラシに凝縮した存在であり、ロハスフェスタの理念を端的に体現しています。

●準グランプリ
受賞者 : 維鶴木工
受賞作品: Do kit yourself「スツールキット」

Do kit yourself「スツールキット」
作品について:「Do kit yourself」は、最高級吉野ヒノキのフレームと北欧風紙紐座面を組み合わせた本格DIY椅子キット。綿密な設計と度重なる試作により、軽量で快適な座り心地とシンプルな美観を両立し、どんなインテリアにも馴染みます。椅子職人直伝の本格工法を動画チュートリアルにすることで、作る体験と使う喜びを同時に体験できる作品となっています。日本の森林環境や、道具を長く使い続けることの重要さと方法を伝えることができるアイテムです。

講評:「Do kit yourself」は上質家具とDIY体験を融合した次世代のモノづくりの形です。間伐材も使用することで環境配慮(SDG15「陸の豊かさも守ろう」)を実現しています。作り方を解説する動画を丁寧に作成することで伝統工芸・技能の垣根を下げ、地域産業の継承にも貢献。自分で作り、修理しながら長期使用(SDG12「つくる責任、つかう責任」)できるスタイルを創出しています。暮らしの愉しみ、ウェルビーイングを齎すことも高く評価できるポイントです。

●特別賞
受賞者 : イトウミシン
受賞作品: Retired Climbing Rope Belt

Retired Climbing Rope Belt
作品について:人の命を守るクライミングロープは、経年と共に廃棄されます。その役目を終えたクライミングロープを洗浄、解体し、縫製したベルトです。実際に岩場やクライミングジムで使われてきたロープにはひとつひとつに、新品のロープには無い表情があります。『汚れ』ではなく『表情』として捉える事でとても魅了的なベルトに生まれ変わりました。廃棄商品を減らす事で環境に優しいスタイルを意識した作品です。

講評:命綱として役目を終えたクライミングロープに新たな個性を与えたベルトへと生まれ変わらせた本作品は、SDG 12「つくる責任、つかう責任」を体現するアップサイクルの好例。素材の履歴をあえて残すデザインは、使用者に循環型社会への参加意識を芽生えさせ、「環境保全啓発」という部分でも大きな意義があります。また、安全上の観点から本来の役割を終えたものの、元々頑強なジャンルの素材だけに通常のファッション素材としては十分な耐久性を持つということを活用したアイデアも秀逸です。

●特別賞
受賞者 : Acote
受賞作品: 着物リメイクのアロハシャツ

着物リメイクのアロハシャツ
作品について:本来捨てられるはずの着物からアロハシャツへとリメイクした作品です。リメイクの力は、破れていても、虫食いがあっても、その箇所を省いて製作したり補修したりして、新しい洋服へと変化させることができることです。本来、捨てられるはずの着物が洋服になることにより、環境を守り、日本の文化を守っています。男女、国籍、人種問わず楽しめる着物リメイクであり、多様性の時代に相応しい作品であると考えています。

講評:破れや虫食いを「欠点」ではなく「個性」と捉え丁寧に補修・配置するプロセスは、ロハスフェスタが重視する“モノの物語性”と高く共鳴しています(SDG12「つくる責任、つかう責任」)。さらに、着物柄を日常着に落とし込むことで日本文化の手触りを現代のライフスタイルへ接続し、SDG11「住み続けられるまちづくりを(文化遺産の保護)」にも寄与しています。着る人が “自分らしさ” を肯定できる自由度は、ウェルビーイングの観点からも評価できます。本作品は環境配慮・文化継承・社会包摂の三軸でバランスが良く、特別賞にふさわしい価値を備えています。

●特別賞
受賞者 : KORU_M&B
受賞作品: 食品ロスから生まれた、愛犬のためのおやつ

食品ロスから生まれた、愛犬のためのおやつ
作品について:廃棄される魚のアラを活用することで食品ロスを減らし、資源を無駄にしないサステナブルなおやつ作りを行っています。圧力鍋で骨まで柔らかくし粉末化、栄養価をそのままに余すことなく使用しています。さらに通常であれば廃棄する煮汁も再利用し、栄養豊富な高野豆腐ラスクを製作しています。自然由来の素材を活用し、環境に優しく、犬の健康にも配慮した安心おやつとしています。

講評:魚のアラを栄養価そのままに粉末化し、煮汁まで活かす製法は SDG12「つくる責任、つかう責任」に該当。水産副産物を余さず利用することで SDG14「海の豊かさを守ろう」にも貢献しています。環境負荷の低い植物素材をブレンドする配慮は、ペットの健康と地球環境を同時に守るウェルビーイングな設計と評価できます。本プロジェクトは 環境保全・食品ロス削減・動物福祉の三軸で高いインパクトを示し、ペットと人の暮らしをより豊かに結ぶ特別賞にふさわしい取り組みです。

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